猫についての本がずいぶん増えました。主に獣医さんなど専門家が生態や病気について書かれているものが役に立ちます。
一時、女流漫画家さんが多く描かれている猫漫画作品を集めたりしましたが、飼い猫の日常などの内容だけだと似たような内容になりがちで
申し訳ないですが、(いくつかの傑作を除いて)あまり関心が向かなくなりました。
(今はデジカメも発達して、画像的にも楽しめる猫ブログが数多くありますしね・・。イマイチな絵と内容の薄い、或いは主観に寄りすぎた話ではね・・。)
しかし、漫画家(?)ハルノ宵子さんのエッセイ集「それでも猫はでかけていく」は内容の濃い本で良かったです。
病気持ちの子を保護して飼ったり、お家の隣が墓地だそうでそこの外猫のお世話などをされているためか、一冊の情報量が並みではありません。
漫画家さんなので挿絵もたっぷり(それに絵も上手い)で表現力が豊かで様々な事柄が手に取るように伝わってきます。
特に少しでも外猫に関わっている人なら、「そうそう」「なるほど」とうなずいてしまうこと度々。
ちょっとした挿絵についたコメント、例えば「猫好きは、猫同様、群れるのはキライ!」とか、全くもって“そうそう!”
ハルノ宵子さんのことは知りませんでしたが、故・吉本隆明氏の娘さんなのですね。
吉本隆明氏といえば、大学生の頃に苦労して読んだ(当時の私にとって)難解な「共同幻想論」の著者です。
かの哲学者も猫が好きだったんだなぁとホッコリ。
猫特集の雑誌オレンジページによれば養老孟司さんも愛猫家だそうで、作家や研究者などは基本的に単独で思索し活動するので
(群れずに)自由に行動する猫に共感する人が多いのかもしれないなぁと思いますね。